【中国人から見た日本】「日本人は働きすぎ」は嘘!中国人と日本人の働き方の違い

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「日本人は働きすぎ」。世界的にそのような印象を持たれることは多いですよね。

ビジネスでの関わりが深いお隣の大国・中国と日本の働き方には、どのような違いがあるのでしょうか。

本記事では、来日4年目の中国人である私の夫に、「中国人から見た日本人の働き方」をテーマにインタビューしました。

茜の夫 プロフィール

1996年生まれ、中国安徽省(上海から新幹線で3時間)出身。来日4年目。

中国の大学で日本語を学び、日本の大学に編入。

大学卒業後、新卒で日本で日系メーカー企業に就職し、国際営業を担当している。

日本で働いていますが、中国人の顧客を相手に働くことも多いです。日本人と中国人両方の働き方について語れます!

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目次

日本の企業は、中国の企業よりずっと安定している

ーーまずは、日本で働きたいと思ったきっかけを教えていただけますか?

茜の夫:日本の労働スタイルに憧れていたとか、日本で働くこと自体に重点を置いていたわけではないのですが、日本という国そのものに惹かれたので、ここで就職しました。

食品の安全だったり、マナーの良さだったり、中国では感じられない心地よさがあります。

日本で生きていく手段として、日本での就職を選びました。

ーー日本では、大企業に入社できたらもてはやされますよね。中国でも同じですか?

茜の夫:ちょっと違いますね。中国では公務員が圧倒的に人気です。

「士農工商」の「士」が今でいう公務員にあたりますが、公務員をもてはやす風潮は中国ではいまだに根強いですね。

日本と違って中国では、超有名な一握りの大企業以外は本当によく潰れるんです。

企業に入って安定して働く、という概念があまりない。

日本では100年続いている中小企業もあるけれど、中国ではありえません。

「代々企業を存続させよう」という意識自体がないんです。

中国では、社員が重大なやらかしをしなくても、会社都合でクビになるようなことが普通にあります。

日本の会社員は守られていて、安心して働けることに驚きました。

福利厚生も、全体的に日本の方が良いです。

人情味の中国、冷たい日本

ーー欧米と比較すると、日本はプライベートと仕事を分けられていないと言われがちですが、中国と比較するとどうですか?

茜の夫:全く逆!中国に比べて、日本人はずっとプライベートと仕事を分けていますよ。

分けすぎていて、中国人の私からすると日本人はすごく冷たく感じますね…。いつまでも心の壁を感じます。

飲み会で仕事仲間と盛り上がって、すごく打ち解けたと思ったのに、次の日出社すると嘘のように冷たくなっているんです。

本当に衝撃で、日本人と仲良くする意欲を失いかけたほどでした。

中国だったら、どれだけ偉い上司であっても、一緒に飲むと友達のようになれるし、日本のような厳格な上下関係もありません。

ーー辛い思いをしましたね。会社の飲み会の文化も違いますか?

茜の夫:日本だと飲み会の時は一番若い社員が予約したり、偉い人に気を遣ったり、最後には精算したりと大変ですよね。

私は2年間も幹事をやらされて、ある意味で日本文化を体感できましたね…。

中国ではもっとフランクです。

準備をすることなんかないし、偉い人が「今日一緒にどう?」みたいな感じで軽く誘ってくれます。

もちろん気前よく全額奢ってくれるし、若い社員は全然払わないですよ。

若い社員が甘えて、偉い人を飲みに誘うこともよくあります。

中国人の方が働きすぎている

ーー昭和の日本は中国の働き方に近かったかもしれませんね。

茜の夫:そうですね。社会形態は、全体的に中国は日本より10〜20年くらい遅れていますからね。

日本では、欲のない平成の「さとり世代」の影響でこうなったと思いますが、

中国では私より若い2000年生まれ以降の人たちの間で、今の日本のような雰囲気が生まれ始めています。

ーー「日本人は働きすぎだ」とばかり思っていましたが、もしかして逆ですか?

茜の夫:中国人の方がよっぽど労働時間が長いです。

人脈重視で、お客さんとWeChat(日本でいうLineのようなアプリ)を交換するのも当たり前。

夜遅くまで仕事の用事でWeChatが鳴り続けている人ほど、仕事ができるという扱いです。

サービス残業も当たり前で、プライベートの時間と仕事の時間を切り分けて考えません。

休日は、会社の仲間やお客さんと遊ぶことも多いです。

日本人はメール、中国人はWeChatで仕事する

ーー日本人の働き方で、ほかに驚いたことはありますか?

茜の夫:日本人はとにかくメールが多いですね。なんでもメールでやりとりしているので驚きました。

中国人はWeChatで仕事のやりとりをすることが多いです。

大きな企業だと会社の携帯とPCがあるから会社用のWeChatアカウントがありますが、ほとんどの会社はプライベートのWeChatで仕事をしています。

WeChatにはインスタのようなタイムラインの機能がありますが、プライベートの投稿を仕事関係の人にも見られているし、それが普通です。

ーーチャットは便利ですけど、プライベートのアカウントで仕事するのはセキュリティ面が心配すぎませんか!?

茜の夫:う〜ん、まあ、あんまり気にしないんじゃないですか?(笑)中国はその辺適当なので。

中国だとプライベートの投稿で、会社のロゴとかバンバン載せちゃう。

日本人は細かいが、ルールを守るので仕事しやすい

ーー日本人は冷たいし、やる気がないし、合わないと感じることもありますよね。それでも日本で働けてよかったと思いますか?

茜の夫:大学で一緒に日本語を学んだ中国人の中で、8割は中国に帰って、1割は日本で就職したくてもできなくて、日本で働けたのは残りの1割だけでした。

就活は苦労したけれど、その苦労に見合うくらい、やっぱり日本で働けてよかったなと思います。

日本人はすごく細かくて、なんでも確認したがるけれど、その分ルールを守るので仕事しやすいんですよね。

日本人と比べて中国人は本当に適当だし、理不尽なことを言ってくることも多いです。

日本人は、あいさつと人間関係を大切にすべし

ーー中国人として、働く日本人に対してアドバイスはありますか?

茜の夫:社会人歴はまだまだ浅いので、偉そうに言える立場ではないんですけど、日本の会社員はあいさつすらできない人が多い。

人と仲良くなるためには、まずはあいさつだと思うんですよ。

ーー中国人と一緒に働く日本人は、どんなことに気をつけたらいいですか?

茜の夫:中国では、仕事ができれば良いわけではなくて、仲の良さが重視されます。

中国に進出する日本企業はこれからも増えると思いますが、中国人にとっては「日本製」というだけで、品質面はすでにクリアです。

他の日本企業や安価で勝負してくる中華企業と闘うならば、やっぱり人脈を広げる姿勢が大切ですね。

人情味があって、仲良くしてくれる人から買いたい気持ちが強いのが中国人です。

ーー中国の人情の文化を理解して接することが大切ですね。本日はありがとうございました!

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