就活やキャリアについて考える時、
「大学の専攻を生かさないと勿体ない」という気持ちに囚われるケースは多いのではないでしょうか。
私は、就職で生かせないと大学で学んだことが無駄になってしまう気がして、専攻を生かすことを第一に一社目の就職を決めました。
しかし今思えば、そのこだわりが選択肢を狭めてしまったようにも思います。
今は転職して、大学の専攻とは関係ないところに勤めています。
それでも大学での学びは決して無駄にはならなかったし、直接ではありませんが今の選択にも確実に繋がっていると思います。
本記事では、私のその経験を綴っていきます。
当サイトの運営者、マボです。
2019年に旧帝大の外国語学部でドイツ語を専攻を卒業。
ドイツ語を生かしたくて、ドイツに関係するメーカーに入社するも、勤務地と企業文化が合わず苦しむ。
コロナ禍で中華BLにハマる。中国語を齧りはじめ、そのまま2021年に中華系企業に転職。
- 転職活動中だが、大学の専攻に関係するところに就職すべきか迷っている
- 大学の専攻と関係ないところに就職したので、今までの学びを捨てたような気がして悲しい
- 専攻と関係ないところに就職した人は、それで満足できているのか知りたい
専攻のドイツ語を生かすために、1社目に入社
大学では、ドイツ語を専攻していました。
新卒一社目は、ドイツとの関わりが濃い日系のメーカーに入社しました。
大学での学びを就職に生かさないと、勿体ないと思った
大学時代はドイツへの留学を経験し、
ドイツがいかに自国の製造業に誇りを持っていて、
製造業でいかに他国を圧倒してきたかを肌で感じてきました。
就活では「製造業でトップクラスのドイツと日本の架け橋になって、世界に価値を提供したい」
という壮大な軸を掲げて、面接ではこの夢を熱く語りまくりました。
これは面接用の綺麗な理由で、
本当の理由は単に、大学で学んだドイツ語を直接活かせそうなところに入社したかったからです。
そうしないと大学での学びが無駄になると思っていたし、
人生に筋を通せていないような気がしました(大学の学び=人生とすること自体間違っている)。
こだわりが選択肢を狭めていた
専攻を就職で生かすことに完全に囚われていたので、
就活では、ドイツ語を活かせそうかだけを考えて企業を選びました。
就活の軸である製造業云々に関しては、
ドイツと日本の共通点を考えたらそう思い付いたというだけのことで、
今思えば「私が」製造業に関わりたい理由はありませんでした。
新卒で入社した会社は、地方配属と古めの社風に馴染めなかったことが原因で転職しました。
でも、今思えば入社前から十分に予想がついていたことでした(親からも言われました)。
「専攻を生かしたい」に固執するあまり、
入社後自分自身を取り巻く環境がどうなるかという重要な視点が抜けていたように思います。
専門性は、目的より手段であるべき
学んだことや専門性は、もちろん武器になります。
しかし、その武器を生かすことにこだわりすぎると、選択肢を狭めることにもなるので危険です。
「専門性を生かすために職を探す」は少々ケチな発想な気もします。
やりたいことがあるから、その手段として専門性をつけるのであれば、それがベストだと思います。
でも、あれは当時の自分にできるベストな選択をした結果であって、
過去の自分を責めたり後悔する気は全くありません。
大きな気づきを得られましたし、それに今のところ、転職して楽しく働けているからです。
ドイツの哲学者であるニーチェも、著書『ツァラトゥストラ』で
「人生の全ての出来事は繋がっているから、多少過去に失敗の選択をしたにせよ、幸せなことが一つでもあったなら、失敗も含めその人生はオールオッケーだ」
と言っていますので…
(読破するのに一夏かかりましたが、良い読書体験になります。力強く生きていくためのメッセージがたくさんもらえます。)
ドイツ語に飽きて、中華にハマる。そして転職
あくまでドイツ語を生かすこと、ドイツに関係する企業で働くことにこだわっていた私ですが、
いい意味でそのこだわりから解き放たれる出来事がありました。
中華ドラマに沼落ちし、中国語を習う
2020年秋、コロナの自粛続きで趣味のバンドもできず、家で暇を持て余していた時でした。
『陳情令』という長編ドラマに出会い、あっという間に沼落ちしてしまいます。
ストーリーがめちゃくちゃ面白い上に俳優のビジュアルがとんでもなく美しい。
俳優に沼りはじめますが、日本語で供給を追うには情報が少なすぎるため、
中国語のマンツーマンレッスンに通い、勉強しました。
『陳情令』の台詞を一つでも聞き取りたい、
また出演している推し達の中国語のコンテンツを楽しみたいという情熱に突き動かされてのめり込むついでに、
最低限履歴書に書けるレベルの資格(HSK4級)を取得しました。推しの力は偉大です。
中華系企業に転職
一社目での地方配属による田舎暮らしが合わなかったことと、
企業風土の古さが理由で転職を決意しました。
田舎から出るならせっかくならと思い、勤務地は東京で、
業界はより心惹かれるクリエイティブな業界を選びました。
また企業風土の面を考えて外資系の企業で転職を考えた結果、
たまたま縁があって、条件にぴったりの中華系の企業に入社を決めました。
もし中国のエンタメと中国語にハマるという経緯がなければ、またドイツにこだわって今の会社と出会えていなかったと思います。
「異文化にハマるフットワークの軽さ」こそが大学での学びだった
ドイツ語やドイツの文化について深めていくのではなく、他の国に興味を広げることになりましたが、
決して大学での学びを捨てたということではないと思っています。
新しい言語に手を出すハードルが下がった
大学時代にドイツ語を一から学んである程度できるようになったという成功体験と、
ドイツ留学中に現地の言葉でドイツ文化に触れたという経験があったからこそ、
他国の文化や言語に手を出すことに対するハードルが低かったように思います。
私にとっての大学での学びは、ドイツ語そのものというよりむしろ、
他国の文化に興味を持ってそのままのめり込めるフットワークの軽さだったのかもしれません。
一つのことにこだわって極めなくてもいい。飽きてもいい
どんなことでも、70点から80点くらいまでは楽にたどり着けても、
100点を達成するには膨大な労力と時間がかかります。
例えば、TOEIC900点なら少し頑張れば超えられても、
そこから満点を目指すのは大変です。
900点そこそこと満点の差を苦労して埋めるより、新しく中国語にでもハマって、
中国語もそこそこできるようになる方が私にとってはコスパが良かったし、
希少価値も出せるのではと思いました。
一つのことに執着して長い年月をかけて満点を目指すより、
興味の沸くままに次のジャンルに飛んだ方が、新しい発見や成長を得られるのではと思います。
色々なことにハマっては飽きるを繰り返しているうちに、思わぬところで点と点が繋がって線になることがあるはずです。
(このような考え方に至るにあたって、私が影響を受けた著書です。あなたにもぜひ読んでいただきたいです。)
中華ドラマに沼落ちした結果転職先に繋がったような、この類の不思議なことを、
これからもたくさん経験したいと思っています。
モチベーションの「トップダウン型」と「ボトムアップ型」
前の会社を退職した時の送別会で、
先輩から前田裕二さんの『メモの魔力』という本をプレゼントしていただき、
その中で印象的な内容があったので以下に要約します。
モチベーションには「トップダウン型」と「ボトムアップ型」の2類型ある。例えば「お金持ちになりたい」など、最も大事な人生の軸が定まっている人は「トップダウン型」のアプローチが向いていて、それの達成に向けて逆算する形で貢献度の高い順からきちっと潰して行けばいい。逆に「ボトムアップ型」のアプローチが向いているのは「ワクワクする度合い」で重要度を決める人で、こういう人は目の前の面白そうなことに飛びつきながら行動を決めていけばいい。
私は、「ボトムアップ型」に寄りつつあります。
仕事においても趣味においても、面白そうなことに熱中しては飽きるを繰り返しながら進んでいくのが向いているのでは、
と思い始めています。あなたの生き方は、どちらのタイプですか?
今ハマりかけていること
今も、現在進行形で新しいことにハマりつつあります。
韓国語
どハマりした中華ドラマである『陳情令』の俳優の動画を漁っているうちに、
その俳優が韓国でアイドルをしていたことがわかり、そのままKPOPの世界にドボンしてしまいました。
新しく別のグループ(上の写真です)にハマってしまい、
彼らの言っていることが分かりたくなって、
NHKラジオのハングル講座に手を出し始めました(中国語も初めはこのラジオ講座から始めました。かなりおすすめです)。
そのグループの中での推しが中国人のメンバーなので、
中国語が母語である推しが韓国語を勉強した苦労を追体験したいという目論見もあります。
当ブログ
東京に引っ越して3ヶ月ほど経ち、
在宅ワークで家にいる時間も長い中で新しいことをやってみたいと思い、始めたのが当ブログです。
いつまで続くか分かりませんが、
もしかしたら本格的にハマって、ライティングやマーケティングに手を出し始めるかもしれません。
うまくいけば自分の武器になるかもしれませんし、飽きたら飽きたでそれで良いと思っています。
おわりに
大学での専攻や今持っている資格が、自分の選択を狭めることもあります。
自分が身につけてきた専門性に囚われる必要はありません。
私にとっては、専攻の内容そのものより、色々なことにハマれるようになったこと自体が大学での学びでした。
今、仕事で自分の専攻を生かせていない人は、逆に新しいことに興味を持てるチャンスかもしれません。
趣味でも仕事でも、興味を持てる新しいことに出会えた時は、その瞬間を大切にしてください。
躊躇なくのめり込むことで、人生まで変わる可能性があります。
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