「お正月」と言っても、アジアの中でも過ごし方や祝う時期が異なります。
日本は1月1日に祝いますが、中国では旧暦(大体1月末〜2月初旬)でお祝いします。
中国の正月は「旧正月」「春節」と呼ばれ、ニュースでは毎年中国の駅がごった返している様子が放送されていますよね。
本記事では、中国の旧正月の過ごし方を解説します。
このサイトの管理人、茜です。
東京の中華系企業に勤務する28歳OL。
中国人のパートナーと結婚して1年。中国語勉強中
茜の夫です。この記事を監修しました!
27歳、中国の安徽省出身(上海から新幹線で3時間。中国の基準で言うと近いです)。
中国の大学で日本語を専攻し、一年間日本に交換留学してそのまま日本企業に就職。来日4年目。
\YouTubeも見てね/
旧正月期間の1週間の流れ
旧正月は旧暦で祝うため、毎年微妙に日付が異なります。中国人は毎年共通して1週間の休暇を取っています。
この1週間は楽しいことしかやらず、中国では1年の中で最も盛り上がります!
みんな調子に乗って毎日お酒を飲むよ。ガチで太る
春節の1週間の流れについて、健の地元の安徽省を例に紹介します。
旧暦の大晦日-家の飾り付け
旧正月の前日は、家の飾り付けをします。
具体的には、家のドアに貼っている「福」の文字や縦書きで文字が書かれた飾り「春聯(しゅんれん)」の貼り替えです。
昔は女性が筆で文字を書いたり、折り紙などで手作りしていたようですが、今はどの家庭でも市販のものを買います。
習慣的に、飾りを張り替える作業は男性が行います。
旧正月 day 1-家族団欒、お墓参り
旧正月の初日は、家族のメンバーで団欒します。
昼ごはんを食べ終わったら、男性メンバーはお墓参りへ。祖先に対して感謝の気持ちを伝えます。
お墓参りの際は自転車や交通手段は使ってはならず、移動手段は全て徒歩です。
お墓では爆竹を鳴らして悪い霊を追い払い、紙を燃やします。
なんで男性だけなのかは分からないな…習慣かな?
この間女性は家に残って、夜に食べる餃子を作ります。
スーパーは初日から3日目まで全てお休みです。
旧正月 day 2-奥さんの実家に帰省
2日目は奥さんの実家に帰省することが多いです。
お互いの実家が遠い場合、「元旦(新暦の1月1日)は旦那さんの実家、旧正月は奥さんの実家に帰省」という風に、元旦と旧正月で毎年交互に帰省するパターンが一般的。
旧正月 day 3以降-仲の良い順に親戚を訪ねる
3日目以降は、従兄弟の家族など、仲の良い親戚から順番に訪ねます。
中国でもお年玉(红包 ホンバオ)があり、18歳、もしくは結婚するくらいまでの子供はもらえます。
子供にとっては親戚を訪ねるほどお年玉をもらえるので、嬉しい期間ですね。
私の場合お年玉の大半は母親に没収されていたけど、結婚した時に全額返してくれたなあ
中国でもあるあるだよ。ただ、没収されたきり返してもらえない場合が多いかもね(笑)
旧正月に恋人の実家に招かれた場合、相当脈アリ
中国人にとって誇らしいことは、旧正月期間中に恋人を連れて帰ること!
中国人は付き合う時点で真面目に結婚を意識しているパターンが多いですが、旧正月の帰省となるとさらに特別です。
中国人の方とお付き合いしていて、この期間に実家に招かれた人は、結婚はほぼ確実と判断して良いでしょう。
旧正月に自分の家族に紹介して、結婚せず別れてしまったら、本人にとっては相当恥ずかしいことだよ
爆竹と花火で眠れない
旧正月と切り離せない存在が、爆竹と花火!
田舎に行けば行くほど爆竹と花火の規制は緩くなります。健の地元では1週間ずっと夜も眠れないほど鳴り続けており、無法地帯になっているようです。
去年のGWに規制した時も、結婚式シーズンで爆竹鳴ってたね
旧正月はあれの比じゃないよ!
日本では爆竹はもってのほか、花火も一般人はなかなかやらないですが、中国では花火も一般人がそこら辺の広場でバンバン打ち上げます。
2009年には、北京のCCTV(日本でいうNHK)のビルで春節の爆竹が原因で大火災が起きたんだとか…
都会では爆竹と花火は厳しく規制されていますが、2024年からはコロナの影響も薄れ、解放感から爆竹解禁の流れが始まっているようです。
旧正月は何をやっても怒られない!?
旧正月は、子供たちにとっては親が優しくなる最高の期間!
普段なら叱られるようなことでも許されることが多く、親に甘えてもいい1週間です。
ただし、旧正月が終わるとまとめて怒ってくるので注意が必要。
子供時代の旧正月やらかしエピソードある?
いとこが「僕の方が強いぞ!」って言ってきて腹立ったから、川に突き落とした!
そしたら旧正月期間中なのにめちゃくちゃ親から叱られた
それは流石にあかんやろ
旧正月の食べ物
日本のお正月の食べ物といえば、おせちですよね。
数の子とかエビとか、色々意味が込められた食べ物ですが、特に子供にとっては味に馴染みがなくて、あまり嬉しくないんですよね…
でも中国では別。「餃子、肉、酒!祭り!」という感じで、美味しいものしかありません。
料理は、女性たちが数日かけて準備します。
中国の田舎の方では「裕福さをアピールするために食べきれないほど料理を振る舞い、食べる側もあえて残して満腹感を示す」という風習があります。
旧正月の料理でも同じく、食べきれないほどの量の料理を準備するようです。
旧正月の最終日には、湯圓(タンエン)という黒胡麻の入った団子を食べます。
湯圓を食べないと、旧正月は終われない
湯圓は日本でも中華物産店や通販で買えるので、ぜひ試してみてくださいね。
旧正月を祝う風習は薄れつつある
中国人にとって特別なイベントである旧正月ですが、最近は若い人を中心に祝わない人も増えています。
帰省せずに旅行する人も多くなっているんだとか。
特に2024年はコロナ収束に伴い、前年比49%増の1.3億人が海外旅行に出掛けています。中国人の10人に1人だと考えると、相当多いですね。
私も少し前までは「春節どうでもいいじゃん、帰省しなくてもいいや」って考えてた。
でも歳を重ねるにつれて「いや、やっぱり家族団欒して祝うべきでしょう」と思うようになってきた(笑)
おっさんになってきたのかな?
中国人の心を思い出したんだね
来年の帰省が楽しみ
旧正月の習慣を紹介しました。
紹介しておきながら、私はまだ旧正月期間の中国に行ったことがないので、来年が楽しみです!
爆竹鳴らして騒ぎた〜い
コメント