税金、将来に向けた資産形成、社会保険…
なんだか難しいしアレルギー反応を起こしそうだけれど、
生きていくには知らなければならない、お金のこと。
よくわからないけれど何からどう勉強していいのか分からない、漠然とした不安を抱えていませんか?
全く自信がない状態からでも、これらを体系的に学べるのが、
ファイナンシャル・プランニング3級です。
確定申告や給与明細の見方、相続の仕組みまでわかるようになります。
2022年5月22日実施のファイナンシャル・プランニング技能検定(FP3級)を受験し、合格しました。
本記事では、独学での具体的な学習プロセスと、試験当日のレポを記載します。
FP3級の基本情報
FP資格は1級、2級、3級がありますが、3級は入門レベルです。
実務で活かせるレベルというよりは、金融・経済アレルギーを解消できる程度のレベルと言えるでしょう。
試験は年3回(1月・5月・9月)
試験は年3回、1月・5月・9月に実施されます。
法律の変化への対応という理由で、テキストは当年の9月、翌年の1月、5月対応という形で出版されています。
安全策を取るのであれば、初めての受験は1月もしくは9月で設定するのが良いようです。
5月に受けて失敗した場合、次の受験ではテキストを新しい版に買い換える必要があるからです。
試験は「学科」と「実技」。それぞれ6割以上で合格
本番の試験は、午前中に受験する「学科」と午後に受験する「実技」があります。
学科は全60問(前半30問は正誤問題、後半30問は3択形式)、実技は3択形式の全15問。
学科と実技の両方で6割以上正解で合格です。
学科試験は基本的な内容で、2〜3行の文章に対してひたすら答えていく形式(運転免許の学科試験にのようなイメージ)、
実技は計算問題が多めの応用問題です。
試験範囲は全6科目
試験の範囲は、下記の6科目です。
- ライフプランニングと資金計画
- リスクマネジメント
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業継承
どのような内容かイメージいただくために、それぞれ軽くご紹介します
(各科目の解説は、『みんなが欲しかった! FPの教科書 3級 2021-2022年』(滝澤ななみ著) より抜粋します)。
ライフプランニングと資金計画
健康保険、雇用保険、公的年金といった社会保険の仕組みや内容についても学習します。
リスクマネジメント
生命保険や損保保険、医療保険やがん保険等の仕組みや内容について学習します。
金融資産運用
金融・経済の基本から、貯蓄型金融商品、国債などの証券、株式、投資信託、外貨建て金融商品などについて学習します。
すでに投資をしている人は知識を確認しながら、
そうでない人は「もし自分が投資するなら…」と考えながら勉強を進めるのが良いでしょう。
タックスプランニング
主に所得税について内容と仕組みを学習します。確定申告や年末調整についても、この科目で学習します。
不動産
不動産の売買契約や不動産に関する法令、不動産に係る税金について学習します。
不動産を買う前に知っておきたい内容です。
相続・事業継承
相続に関する法律の基礎知識や、相続税、贈与税について学習します。
もし自分や自分の親族が亡くなった場合、
「法定相続人が誰で、相続分はどれだけで、相続税の基礎控除額はいくらになるか」など考えながら学習すると良さそうです。
試験実施機関は、FP協会と金材の2つある
受験の申込先である試験実施機関は、日本FP協会と、金融財政事情研究会(金財)の2つあります。
2つありますが、問題の難易度は一緒で、
合格後に取得できるFP3級技能士の資格の価値も同じです。
「学科」は2団体とも同一の問題ですが、「実技」の出題形式が異なります。
実技の対策に当たっては、どちらを受けるかによって若干出題範囲が変わってきます。
実技の対策を行う際は、FP協会で申し込みをした場合はFPの過去問、
金財で申し込んだ場合は金財の過去問を解くようにしてください。
じゃあ結局どちらで申し込めば良いのか、疑問かと思います。
合格実績はFP協会の方が高く、受験者数で見てもFP協会の方が多いようです。
特に理由がなければFP協会で受験するのが無難かもしれません。
筆者はFP協会で申し込みました。
合格までの勉強プロセス
ここからは、具体的な勉強プロセスについて解説します。
あくまで「お金のことについて自分の理解を深めたい」というモチベーションで受けられる方に向けてご紹介していきます。
生活に役立つ形で体系的に知識をつけて、ついでに合格して資格も取りたいという目的で受験しましたので、
同じような理由で受けられる方の参考になればと思います。
「会社で受けるよう言われたので、知識自体はどうでも良いがとりあえず合格だけしたい」
という目的であれば、正直勉強期間は1ヶ月未満で、過去問だけ頭に詰め込めば合格は可能です。
2ヶ月、80時間確保したい
目安として、勉強の期間は2ヶ月、総学習時間は80時間確保できると良いかと思います。
平日は毎日1時間、土日は2日間合わせて5時間くらいのペースで勉強を進めました。
2ヶ月という期間も長すぎず短すぎず、ちょうど良かったです。
2ヶ月より長ければ飽きて逆に集中力が落ちていたと思います。
まずテキストを一周読む(2週間)
まずはテキストを一通り読んで、出題範囲の全体像を把握します。
こちらのテキストを購入して、勉強しました。
本番の試験前でも、ほとんどの人がこのテキストを開いていました。
範囲は想像していたより広かったので、理解しながら読むだけで2週間ほどかかりました。
この段階で全てを完璧にわかる必要はないため、
じっくり読んでも分からない箇所は、さらっと読み飛ばして大丈夫です(過去問に時間を充てたいため)。
YouTubeの解説動画と併用して問題集を解く(4週間)
範囲を一通り頭に入れたら、問題集に取り掛かります。
こちらのテキストを購入し、初めから解きました。
この問題集は、上記で紹介したテキストと完全に連動しているため、
テキストに戻って確認する作業がやりやすく、使い勝手が良かったです。
この段階では、分からない箇所があれば飛ばさずに一つ一つ丁寧に理解していきます。
知識ゼロからFPの勉強を始めた場合、テキストと問題集の解説だけで全てを理解するのは無理がありますので、
YouTubeを活用することを強くお勧めします。
私がお世話になったYouTubeチャンネルのうち、特におすすめのものを3つ紹介します。
カバーしている範囲が非常に広く、
分からない部分のキーワードで検索すると大概この方の動画が出てきました。
FPの勉強をした方は全員一度は見ているのではないでしょうか。
試験に出やすいポイントを押さえて解説してくれています。
少しクセのある独特な語り口で、見ていて和みます(親しみやすい高校教師のような感じ)。
説明が一番わかりやすく、イチオシのチャンネルです。
丸暗記に頼らず根本から理解するのに非常に役に立ちました。
明瞭な語り口で、内容がスッと頭に入って来やすいです。
凄腕塾講師感があります。
試験に役立つ語呂合わせの動画がかなり良かったです。
動画の数自体は上の2つに比べてあまり見ていなかったのですが、
この方の語呂合わせ動画のおかげで、だいぶ楽に点が取れるようになりました。
問題集を解いていくこの工程は、時間と根気が必要でした。
私は4科目目の「タックスプランニング」が終わったあたりで飽きてしまい、
問題集は辞めて過去問に取り掛かり始めました。
この工程で丁寧に時間をかけることで理解度は深まりますが、
ドツボにハマって過去問をやる時間がなくなることは一番避けたいです。
【最重要】過去問を解く(2週間)
実際の試験は、「学科」「実技」ともに形式と出やすい箇所はずっと変わっていないようで、
過去問を解けば解くほど点数が上がります。
過去問を解く際は下記の日本FP協会のHP、
解説を見る際は、「FP3級過去問道場」のサイトを利用しました。
私は上の問題集を解く段階で、ある程度理解を深めてから過去問に取り組んだので、
初めての過去問受験の段階で合格点には到達していました。
問題集を解く段階は、時間がなければある程度省いて過去問を解く時間に充てるのが良いですが、
ちゃんとやっておいた方がかなり余裕は出ます。
過去問は、「学科」と「実技」でそれぞれ4回分解いて、
試験2日前からは、すでに解いた4回分の過去問を再度繰り返し解きました。
過去4回分ほどの問題を完全に頭に入れた状態で本番に臨めると、
かなりの確率で合格できると思います。
本当に毎回似たような問題しか出題されていません。
過去問を解いて間違えたところの解説は、必ずノートに写すようにすると良いです。
本番直前に見直すのにかなり役に立ちますし、
これだけ勉強してきたから大丈夫という自信に繋がります。
とにかく過去問が大事!
過去問4回分を頭に入れて臨むと、合格できます。
試験当日レポ
ここからは、私が受験した2022年5月22日の試験当日の様子を記載していきます。
受験票は5月2日に自宅に郵送され、
本番の試験会場や受験番号が記載されていました。
午前:学科試験
集合・着席時間は9:40で、試験開始は10:00でした。
学科試験は120分で、試験開始から60分経過からは退席可能でした。
問題用紙は持ち帰れるので、自己採点で合否を知るために必ず解答をメモしておきましょう。
意外と「こんなところから出す?」みたいな問題も数問あって戸惑いましたが、
大部分は過去問で見たことのある問題でしたので楽に解けました。
私は30分で解き終わって、後の30分で見直しが終わったので、60分で退出しました。
同じ部屋で受験していた半数くらいの人が私と同じタイミングで退出していました。
昼休憩
学科試験終了後の12時過ぎに、
先ほどのおすすめYouTubeチャンネルでご紹介した「お金の寺子屋【公式】」さんのHPで
学科の解答速報が出ているようでした。
自己採点しようかと思いましたが、もし全然ダメだったらメンタルに響きそうなのでやめました(大学入試のセンター試験1日目終了後を思い出す)。
試験会場の部屋の前のソファでおにぎりを食べ、
実技に向けてテキストやノートを見て知識を確認しました。
周りの人も、私と同じ例のテキストを開いて黙々と勉強していました。
午後:実技試験
集合・着席時間は13:10、試験開始は13:30でした。
実技試験は60分間で、30分で解き終わり30分で見直してちょうどでした。
実技試験中の途中退席は不可でした。
実技は全問過去問で見たことがある気がして、かなり簡単に感じました。
おわりに
今回は、FP3級の勉強法と試験当日の様子をご紹介しました。
資産形成について学習するきっかけが欲しい方にとって、参考になりましたら嬉しいです。
この試験受験後に両学長の『お金の大学』を購入し、これも読みました。
優しい文体でわかりやすく説明されており、FP3級受験後に読むとかなり理解が深まります。
以前受けた簿記検定3級、今回受験したFP3級、『お金の大学』で、最低限の知識は得られたように感じました。
今回も記事をお読みくださり、ありがとうございました。
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