大家好!「日中夫婦 健&茜」の茜です。
2026年7月1日から4日にかけて、私は中国・深圳を初めて訪れた。
これは観光旅行ではない。
中国駐日本国大使館と東方新報(东方新报)が共同で主催した「第1回 私の目に映る中国 外国人による短編動画コンテスト」の受賞者たちが参加した、深圳ハイテク企業訪問ツアーの話だ。
このレポートは、熱量がたっぷりの帰りの飛行機の中で書き上げた。
祖父が残した中国旅行記の文体を真似ながら、私の旅行記として記しておく。
茜このサイトの管理人、茜です。
1995年生まれ、滋賀県出身。現在は東京在住。
マッチングアプリで出会った中国人男性と1年間の交際を経て、2023年に結婚。
YouTubeチャンネル『日中夫婦 健&茜』で、中国文化・中国語学習・国際結婚などをテーマに発信しています。
中国のSNSを含めた総フォロワー数は12万人を突破。
国際結婚を通じたリアルな文化交流と、公的機関との連携実績(河南省政府招聘クリエイター、中国大使館主催短編動画コンテスト優勝、Panda杯作文コンクール優秀賞、BBC中文による取材など)を両立させ、日中間の相互理解促進に貢献しています。
「私の目に映る中国」短編動画コンテストとは


まず、このツアーがどういう経緯で実現したかを説明しておきたい。
「私の目に映る中国」は、中国駐日本国大使館と東方新報が共同で開催する、外国人を対象にした短編動画コンテストだ。
「外国人」とは中国以外の国籍を持つ方が対象で、レンズを通して見た「あなたの中国」を世界に発信する機会を提供している。
第1回の応募期間は2025年夏。60点以上の応募作品の中から、私は卓越賞(優勝)をいただくことができた。
2025年末には中国大使館での授賞式が行われ、ハイセンスの65型テレビをいただいた。
そして今回、主催の東方新報さんからお声がけいただき、受賞者ツアーに参加することになった。
このコンテストには今年(2026年)も第2回の開催が計画されている。
後半で詳しく触れるが、「動画編集が得意じゃないから」という理由で諦めないでほしい。
私が優勝した動画のテーマは、祖父の遺品だった。
祖父が残した中国旅行記を読んだことが、私が中国に関わるきっかけになった。そのストーリーを動画にした。
特別な編集技術はいらない。「中国が好きで、みんなに伝えたい」という心さえ伝われば、それでいい。
深圳ハイテク企業訪問ツアー参加者


今回のツアーに参加したのは、以下のメンバーだ。いずれもYouTubeなどで発信をしている。
コンテストのテーマや発信内容との親和性なども総合的に考慮して呼ばれたメンバーのようだった。
| 名前(敬称略) | 役割・受賞 | YouTubeチャンネル | 受賞動画 |
|---|---|---|---|
| 楊小溪 | 審査員 | ヤンチャンCH/楊小溪 | |
| 横浜中華guys | 金賞受賞者 | 横浜中華guys | 中国の駐在員になった男の末路… |
| 鈴村亜希子 | 銀賞受賞者 | “元”中国在住カタコトYouTuber Akiko | 私が見た中国 |
| 比屋根悠亮 | 銅賞受賞者 | 中国風景写真家TONY | 甘粛省Travel Vlog |
| モワンヌ前田未希 | 潜在力賞受賞者 | 中国広州の街歩き🇨🇳モワンヌファミリー | 中国EV最前線!広州モーターショー×BYDのリアル |
| 稲垣茜(私) | 最優秀賞受賞者 | 日中夫婦 健&茜 | 七回忌に届ける手紙。祖父と中国がつないだ縁 |
同じツアーをそれぞれのチャンネルのカラーで撮った動画が出揃っていくので、視点の違いを楽しんでほしい。
私の動画は、あえて説明的にしすぎないつもりだ。
普段のチャンネルの「接地气」なトーンを生かしながら、私の等身大のリアルな反応が伝わるよう、視聴者も一緒に体験しているような気分になれる動画に仕上げたい。
深圳ハイテク企業訪問ツアー 詳細レポート


4日間、深圳でどんな場所を訪れ、何を体験したのか。以下に詳しくまとめる。
7月1日(水):深圳入り
各自現地集合。宿泊先のホテルは、あのテンセント(腾讯)本社ビルのすぐ隣だった。
チェックイン後、事前にRED(小红书)でチェックしていた点心の店へ。そして「万象天地」というショッピング街を散策した。
7月2日(木):テンセント本社ツアー、TenPayGo世界初体験、平安国際金融中心展望台


2日目はツアー最大のメインイベントが目白押しだった。
中国聯通からSIMカードを受け取る
朝、ツアー参加者と合流。
スポンサー企業のひとつ、中国聯通(中国联通)のSIMカードをいただいた。
これで中国にいながらインスタグラムが繋がり、ツアー中リアルタイムでフォロワーさんにストーリーを投稿することができた。
テンセント(腾讯)本社ツアー:午前の部


中国で最も稼いでいる企業のひとつ、テンセント(腾讯)の本社へ。
午前はショールームに案内された。展示の演出がとにかくすごかった。
巨大なスクリーンで事業説明を受けていたかと思えば、スクリーンが突然開いて奥に誘導され、実際の展示が待っている。
映画館のような空間で映像を見る場面もあった。
個人的に特に心を動かされたのは、中国の遺跡や世界遺産をデジタルデータ化した展示だ。
VRゴーグルさえ不要な没入型の映像技術で、コントローラーを持って動くと実際にその空間を歩いているような体験ができる。


また、AIで古代の土器などの破片をスキャンして、復元に役立てる技術も紹介されていた。
少し話が逸れるが、昨年秋にTrip.comと河南省政府主催のツアーで龍門石窟を訪れた。
あの巨大な世界遺産は今この瞬間も雨風で風化が進んでいて、数十年後には失われているかもしれないと聞いて、胸が痛かった。
でもこの技術があれば、残して継承していける。そういうことだったんだと、ショールームで思った。
テンセント(腾讯)本社ツアー:QClawを体験


ショールームのあと、会議室へ。テンセントのAIアプリ「QClaw」を体験した。
ChatGPTのようなチャットベースのAI機能だけでなく、スマートフォン内のさまざまなアプリを横断して、指示するだけで自動操作してくれるという機能が衝撃だった。
たとえば「何時に美容院を予約して」と言うだけで、予約アプリを開いて予約まで完了させてくれる。
さらにはマインクラフトのゲーム内に入り込んで、一緒にプレイすることもできるという。
私たちはその場でQClawに指示を出し、成果物を発表するワークも体験した。
「私のYouTubeチャンネルを解析して、それに合った中国関連のトレンドを毎日取ってきて毎朝提案してくれるツールを作って」と入力すると、一瞬で動くものができ上がった。
スタバでTenPayGoの世界初ユーザーに


お昼を食べたあと、スターバックスへ。テンセントが開発した決済アプリ「TenPayGo」を体験した。
Apple Payや日本のクレジットカードをまとめて登録でき、それらを使ったQRコード決済ができる。
WeChat Payが使えるすべての場所で利用可能で、中国の電話番号や口座がなくても、Gmailのアドレスさえあれば即座に使えるという外国人フレンドリーな設計だ。
私たちは世界で初めてこのアプリを実際に使ったユーザーとなった。
これが普及すれば、外国人にとっての中国旅行の「キャッシュレス問題」は一気に解消されると思う。
中国旅行の常識を変えることになるだろう。
手のひらをかざすだけの充電器レンタル


ショッピングモールでは、手のひらをかざすだけでモバイルバッテリーをレンタルできるシステムも体験した。
深圳や広州のコンビニやショッピングモールではすでに広く導入されているという。
その場で手のひらを登録し、私もすぐに使えるようになった。
中国ではIT化が極限まで進んだ結果、スマホがなければ何もできないという側面もある。
でもこの技術があれば、スマホさえ手放せる。逆説的な進化だと思った。
平安国際金融中心(平安国际金融中心)展望台:真円の虹


この日の締めくくりは、深圳で最も高く、世界でも5番目の高さを誇るビル、平安国際金融中心(平安国际金融中心)の展望台だ。
116階にある展望台のガラス吊り下げプラットフォームは、ギネス世界記録「最も高いガラス底の吊り下げ展望プラットフォーム」に認定されている。


深圳では雨が降ったり晴れたりを頻繁に繰り返す。
登ったちょうどその瞬間、雨上がりになった。そして——360度つながった完全な真円の虹が、目の前に現れた。
中国の最先端技術が集結する都市のど真ん中に現れた、奇跡のような自然現象。言葉を失った。
一瞬で消えてしまったので動画にも撮れなかったが、この光景は一生忘れられないと思う。
夜は自由行動。小红书で見つけた「白石洲美食街」というローカルな夜市へ繰り出し、タニシビーフンを食べた。
最先端なエリアとディープなエリアが同居する深圳の空気を感じることができた。
7月3日(金):Elephant Robotics、PonyAI無人タクシー、Insta360本社
3日目は移動が多く、一日で3社のハイテク企業をまわった。
Elephant Robotics(大象机器人 / 深圳市大象机器人科技有限公司)見学


車で移動し、2016年に設立され、ロボットの研究開発・製造に特化した深圳のハイテク企業、Elephant Robotics(大象机器人)を訪問した。
このエリアは、テンセント周辺のシュッとした雰囲気とは少し違う。雑多でカオスな空気がある。
「ここでどんどん技術が生まれるのか」と思うと、キラキラしたエリアよりも、何か渦巻くものを感じて、むしろ好きだ。
オフィスの入り口には真っ赤な春联(しゅんれん)が貼ってある。でも説明してもらった技術はまさに近未来的だった。


ペットの代わりに癒してくれるパンダの赤ちゃんロボット、ロボットアーム、人間が動かすと同じ動きをするロボット、回転しながら光の文字を表示するファン型ディスプレイなど、多彩な製品を見せてもらえた。
教育分野への参入に力を入れている企業で、学校や研究機関向けの協働ロボットの開発が主力だという。
華強北(电子部品の聖地)を歩く


Elephant Roboticsの近くに、有名な電子部品街・華強北がある。
このエリアには5000社ほどのロボティクス企業があるらしく、全部見て回ると一週間かかるというほどの規模だ。
一時間ほど自由時間があったので、業者しか来なさそうな迷宮のような場所に迷い込んでみた。
訳のわからないケーブルが大量に積み上げられ、よくわからない部品をだるそうに修理しているおじさんがいる。
この混沌が、何かを生み出す土台になっているんだと思うと、面白かった。
PonyAI(小马智行):無人自動運転タクシー乗車


楽しみにしていた訪問先のひとつ、PonyAI(小马智行)へ。
無人自動運転タクシー(Robotaxi)の開発を手がける会社だ。
PonyAIは2018年12月に自動運転タクシーサービスを開始し、現在は広州・北京・上海・深圳などでサービスを展開している。
政府の許可が厳しいため、深圳を含む中国の一部エリアやドバイ、アメリカなど限られた地域でしか展開していない、世界最先端の技術だ。
Elephant Roboticsとは打って変わって、洗練されたホテルのようなエントランスのビルだった。なんだかいい香りまでした。
オフィスの雰囲気は、渋谷のバイトダンス(ByteDance)やGoogleに似ていた。
安全性の説明を受けたあと、いよいよ無人タクシーに乗車。
この体験の詳細は、ぜひ私のYouTube動画で見てほしい。文章で書くより、動画で見てもらったほうがずっと面白いと思う。
Insta360(影石创新科技股份有限公司)本社


PonyAIの無人タクシーが向かった先がInsta360(影石360)の本社だった。
実は私が動画撮影に使っているスマホジンバルのメーカーだ。
2015年に深圳で創立されたInsta360は、全景カメラや運動カメラなど多彩な製品ラインを持つ、世界的な映像ブランドに成長している。
最新ガジェットを触らせてもらいながら、撮影技術の説明も受けた。
ちょうどスマホ撮影に限界を感じていたタイミングだったので、気になっていた製品についても色々と質問させてもらえた。
機動力を上げながら映像のクオリティも上げられそうで、モチベーションが上がった。


夜は全員で深圳の地元料理をお腹いっぱい食べた。
店員さんは日本が大好きだと熱烈に話しかけてくれ、サービスもしてくれて嬉しい体験となった。
主催者さんに感謝を伝えながら、参加者と動画のアイデアを出し合って、とても有意義な時間を過ごした。
7月4日(土):深圳大学キャンパス散策


最終日は帰国するだけで、全体での予定はなかった。
夕方のフライトまで時間があったので、ホテルから徒歩圏内にある深圳大学のキャンパスを散策し、学食でご飯を食べた。
その学食での支払いが面白かった。
手のひらをかざすだけでWeChat Payによる支払いが完了するシステムが、なんと食堂にも導入されていた。
初日に体験したシステムだ。
最先端都市の日常の隅々にまで、テクノロジーが静かに根付いている。
このツアーに来て、変わったこと


正直に言う。まじで最高の機会だった。
こんなに豪華なコンテストの副賞があるだろうか。
授賞式でいただいた65型ハイセンスのテレビ、今回の深圳ツアー、そしてこのツアーをきっかけに広がりそうな人との繋がり。
4日間で、私の深圳に対するイメージは完全に塗り替えられた。
テンセントのショールームで、龍門石窟の風化の話と、文化財保護技術が頭の中でつながった瞬間があった。
祖父が半世紀前に旅した中国と、私が今回見た中国は、同じ名前の違う国のようだった。
祖父がこの深圳を見たら、きっと目を丸くして、それからにっこり笑ったと思う。
コンテストに興味がある方へ


東方新報(东方新报)さんはこのコンテストを今後も継続して開催できたらと考えているとのこと。
第2回が開催された暁には、中国が好きな方にはぜひ挑戦してほしい。
動画編集ができないと諦めないでほしい。スマホ編集でも大丈夫。
「中国が好きで、みんなに伝えたい」という気持ちが伝わる動画が、一番強い。
- 主催:中国駐日本国大使館 / 東方新報(东方新报)
- 公式HP:第1回「私の目に映る中国」短編動画コンテスト_募集スタート
- 東方新報 公式WeChatアカウント:东方新话
- 中国駐日本国大使館 公式X:@ChnEmbassy_jp
私は初代最優秀賞受賞者として、このコンテストを全力で推す。
【日中夫婦 健&茜】










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